家族信託
認知症対策としての家族信託
近年認知症対策として、家族信託・民事信託の活用が着目されています(2007年信託法の改正で、一般の方でも信託を活用できるようになりました。)。
特に、不動産収益物件の所有者が認知症になってしまった場合、契約行為ができなくなるため、入居者との契約手続き、不動産の売却も、大規模修繕のための銀行借入もできないという事態になってしまいます。また、ご家族が施設入居資金のために預金を引き出そうと思ってもできなくなってしまうなど、その影響は大きなものがあります。
成年後見制度という認知症になった方をフォローする制度はありますが、費用面も含めて使い勝手があまりよくないというのが実情です。
家族信託の設計
家族信託の設計は、家族構成、資産状況、相続税対策、不動産をどうするかなど全体を見て判断する必要があります。当事務所では、これからますますニーズが高まるであろう家族信託の設計についても、いち早く力を入れていきます。
最近物忘れが多くなったなど認知症について不安がある方は、お元気なうちに相談されることをお勧めします。
家族信託の活用を検討するケース
・不動産賃貸物件を所有しているので、自分が認知症になった時、不動産経営に支障が出るのではないか。
・認知症となった妻がいるが、自分の死亡後相続財産を妻に相続させたいと考えている。財産管理がどうなるか心配である。
・未成年者の孫に教育費・生活費の支援を行っているが、自分が認知症になっても、引き続き税金対策上問題なく、教育費・生活費の支援を行っていきたい。
・兄弟3名共有の貸付不動産があるが、共有者の1人が認知症になった場合、全体の不動産管理が大丈夫か心配である。
・子供の中に音信不通の者がおり、自分の死亡後分割協議がスムーズにできない可能性がある。
・再婚をしたいが、入籍することにより相手と相手側の親族にも相続権が発生するため、子供たちが入籍に反対している。
・会社オーナーである自分が認知症になってしまった場合、議決権行使ができなくなって会社経営に支障が出るのではないか。
・過去の相続により自社株式が経営に関係のない兄弟にも分散してしまっている。次の代に変わらないうちに何とかしたい。
・長男を次期経営者として会社を任せたいが、完全に任せられるかどうか不安を持っている。
・自社株評価の安いうちに株式を子供に贈与したいが、子供はまだ若いので、経営権はそのままにしておきたい。